ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が、2025年5月6日、チームの若手内野手キム・ヘソンの将来について、デーブ・ロバーツ監督に対し衝撃的な発言をした。米メディア『スポニチアネックス』によると、大谷選手はロバーツ監督との対話で、「ドジャースはキムをメジャーリーグに留めるべきだ。そうでなければ、チームは大きな損失を被る」と強く主張したという。この発言は、韓国出身のキム選手が5月4日にメジャーデビューを果たし、初安打と初打点を記録した直後に飛び出したもので、チーム内外に波紋を広げている。X上では「大谷がキムを推すなんて熱い」「彼の言葉には重みがある」と、ファンが興奮気味に反応している。

キム・ヘソンは、2025年1月に韓国プロ野球(KBO)のキウム・ヒーローズからポスティングシステムでドジャースに加入。マイナー契約からスタートしたが、5月4日に二塁手トミー・エドマンの故障者リスト入りに伴い、AAA級から昇格した。5月5日のブレーブス戦でメジャー初出場を果たし、3打数1安打1打点の活躍を見せた。大谷選手は試合後、自身のインスタグラムで「Congratulations」とキム選手を祝福し、ベンチでのハグが『ロサンゼルス・タイムズ』で「忘れられない瞬間」と報じられた。大谷選手のこの行動は、彼がキム選手の才能を高く評価していることを示している。

大谷選手の発言の背景には、ドジャースの内野陣の現状がある。ギャビン・ラックスがレッズにトレードされた後、二塁手のポジションは流動的だ。キム選手はKBOで通算打率.304、40本塁打、231盗塁を誇り、守備力とスピードで知られる。『トゥルーブルーLA』は、キム選手の加入がドジャースの内野強化につながると評価する一方、ラックスの放出を「失敗」と指摘。大谷選手の言葉は、キム選手を単なる一時的な代役ではなく、チームの将来の中心選手と見なしていることを示唆する。Xでの投稿では、「大谷が言うならキムは本物」「彼をマイナーに戻すなんてありえない」と、ファンも大谷選手の意見に同調している。

大谷選手自身、2025年シーズンは絶好調だ。5月6日のマーリンズ戦では9号2ラン本塁打を放ち、打率.287、5年連続2桁盗塁を達成。4月30日のマーリンズ戦では7号本塁打を記録し、チームの8連勝に貢献した。しかし、彼のこの発言は、自身の活躍を超えてチームの長期的な戦略に影響を与える可能性がある。ロバーツ監督は『ドジャース・ネイション』の取材に対し、「ショウヘイの意見は常に尊重する。彼はチームの未来を考えている」とコメントしたが、キム選手の契約状況については明言を避けた。キム選手のマイナー契約にはオプトアウト条項があり、他球団からのオファーがあれば移籍の可能性も浮上する。

キム選手のメジャーでの活躍はまだ始まったばかりだが、大谷選手の後押しは彼の地位を固める大きな力となるだろう。『ベースボールチャンネル』によると、ドジャースはキム選手の守備範囲と打撃の安定感を高く評価し、ブレーブス戦での活躍を受けて正二塁手としての起用を検討中だ。ファンの中には、「大谷とキムのコンビはドジャースの新時代を築く」と期待する声も。Xでは、あるユーザーが「大谷がキムを支える姿はリーダーシップそのもの」と称賛し、別のユーザーは「キムが去ればドジャースは後悔する」と警告した。
大谷選手の発言は、単なるチームメイトへの支持を超え、ドジャースのフロントオフィスへのメッセージとも受け取れる。キム選手がメジャーで定着すれば、チームの内野はさらなる飛躍を遂げるだろう。しかし、もしドジャースが彼をマイナーに戻したり、他球団に奪われた場合、大谷選手の予言通り「大きな損失」となる可能性がある。5月7日から始まるアリゾナでのダイヤモンドバックス戦で、キム選手が再びチャンスを得る中、大谷選手の言葉が現実となるのか、注目が集まる。ドジャースの未来は、この若手とスーパースターの絆にかかっているかもしれない。