大谷翔平が記録破りの速球でフィールドを沸かせる一方、ドジャースはロイヤルズに敗れる

大谷翔平が記録破りの速球でフィールドを沸かせる一方、ドジャースはロイヤルズに敗れる

2025年6月29日、カンザスシティのカウフマン・スタジアムで開催されたロサンゼルス・ドジャース対カンザスシティ・ロイヤルズの試合は、ドジャースの大谷翔平選手の投手としての圧巻のパフォーマンスで注目を集めた。しかし、試合は9対5でロイヤルズが勝利し、ドジャースの5連勝がストップする結果となった。

大谷選手は、この試合で「1番投手兼指名打者」として3度目の二刀流出場を果たした。投手としては、2回を投げて27球、被安打1、無失点、1四球、1奪三振という成績を残した。特に注目すべきは、1回裏のピンチの場面で記録した最速101.7マイル(約163.6キロ)のストレートだ。これは大谷選手のメジャーリーグでの自己最速を3シーズンぶりに更新するもので、2022年9月にエンゼルス時代に記録した163.2キロを上回った。1回裏、1アウト一二塁の状況でロイヤルズの4番パスクアンティノ選手に対し、2ストライクに追い込んだ後、163.6キロの剛速球でセカンドゴロの併殺打を誘い、ピンチを切り抜けた。この投球に、スタジアムの観客はもちろん、ドジャースの専属実況者も「ショウヘイのフルコース!」と興奮を隠せなかった。

大谷選手の投球は、復帰後3試合目で初めて2イニングを無失点で終えたこともあり、投手としての復調を強く印象づけた。2回裏にはキレのあるスライダーで空振り三振を奪うなど、投球内容に安定感が見られた。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は試合前、「2イニングを投げられればボーナス」と語っていたが、大谷選手はその期待に応え、球数や体の負担を考慮しながらも見事な投球を見せた。

一方、打者としての大谷選手はこの日は振るわなかった。4打数無安打、3三振という結果で、連続試合安打は5でストップ。打率は2割9分1厘に下がった。特に7回の第4打席では、外角低めの151キロのシンカーを見逃し三振に倒れ、納得のいかない表情を見せた。直近の試合では、27日のロイヤルズ戦で2試合連続となる29号ソロホームランと同点適時三塁打を放ち、3打数2安打2打点でチームの5連勝に貢献していただけに、この日の打撃不振は対照的だった。それでも、6月全体では打率2割6分5厘、7本塁打、17打点と、打者としても存在感を示している。

試合全体を見ると、ドジャースは3回に2番手のキャスペリアス投手がロイヤルズ打線に捕まり先制を許すと、5回にはパスクアンティノ選手の3ランホームランなどで6点のリードを許した。9回にドジャース打線が反撃を見せ、4点を返す猛攻を展開したが、反撃もここまで。ロイヤルズのウィットJr.選手が5打数4安打と活躍し、試合の流れを決定づけた。ドジャースのクローザー、タナー・スコット投手が最終回に登板したが、満塁のピンチをしのぎきれず、試合を締めくくることはできなかった。

ロイヤルズ戦の翌日、6月30日の3連戦最終戦では、大谷選手が「1番指名打者」で出場したが、4打数無安打に終わり、5年連続30本塁打にはあと1本及ばなかった。それでも、ドジャースはキケ・ヘルナンデス選手の2ランホームランなどで5対1の逆転勝利を収め、3連戦を2勝1敗で終えた。これにより、ドジャースは6カード連続の勝ち越しを決め、シーズン成績を53勝32敗とし、リーグトップの勝率を維持している。

大谷選手の二刀流復帰は、2025年シーズンのドジャースにとって大きな話題だ。投手としての復帰3試合で防御率2.25、4回で3奪三振と、徐々に調子を取り戻している。一方で、打者としての成績も依然としてリーグトップクラスであり、6月だけで7本塁打を記録するなど、その影響力は計り知れない。次の登板ではさらに長いイニングを投げる可能性もあり、ファンの期待は高まるばかりだ。

ドジャースは7月1日から本拠地でホワイトソックスとの3連戦に臨む。山本由伸投手が初戦の先発を予定しており、大谷選手の次なる活躍にも注目が集まる。投打両面でのさらなる進化を続ける大谷選手が、今後どのようにチームを牽引していくのか、目が離せない。

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