佐々木朗希は高まるプレッシャーに苦しむ一方、大谷翔平は華々しい復帰への期待をかき立てている

ロサンゼルス・ドジャースに所属する佐々木朗希投手と大谷翔平選手は、2025年シーズンにおいて対照的な状況に直面している。佐々木はメジャーリーグでの期待とプレッシャーに苦しみ、右肩の怪我による長期離脱が報じられる一方、大谷は投手としての復帰を果たし、華々しい活躍への期待が高まっている。この二人の日本人スター選手の現在を追う。
佐々木朗希は、千葉ロッテマリーンズからポスティングシステムを利用してドジャースに移籍し、マイナー契約ながら約10億円の契約金を手に入れた23歳の若き右腕だ。身長192センチから投げ下ろす最速165キロのストレートと鋭いフォークボールで「世界で最も才能のあるピッチャーの一人」と称された彼は、2025年1月にドジャース入団を発表。3月4日のオープン戦では初の実戦登板を果たし、3回無失点の好投でファンを沸かせた。しかし、その後の道のりは順調とは言えない。3月30日の本拠地デビュー戦では2回途中2失点で降板し、5月10日のダイヤモンドバックス戦では5回途中5失点と精彩を欠いた。8試合の登板で1勝1敗、防御率4.72という成績は、彼にかかる巨大な期待に応えるには十分とは言えず、ネット上では「山本由伸投手の登板時に比べ、佐々木の試合では打線が援護してくれる」との声も上がるが、本人は「勝てる試合を落とした」と自責の念を口にする。

さらに追い打ちをかけるように、佐々木は6月に右肩のインピンジメント症候群で負傷者リスト入り。今季中の復帰が絶望的と報じられ、米メディアは「ドジャースの先発投手陣の負傷問題が深刻化」と懸念を表明。デーブ・ロバーツ監督は佐々木を「とても慎重に扱う」と語り、彼の自信を損なわないよう励ましているが、若さと経験不足がプレッシャーを増幅させていることは明らかだ。佐々木自身も「去年の名残に近い痛み」と語り、焦りを隠せない様子が伺える。アリゾナの乾燥した気候やメジャーの滑りやすいボールへの適応にも苦労しており、大谷がかつて指摘した「慣れが鍵」という課題が浮き彫りになっている。
一方、大谷翔平は投手としての復帰を果たし、ファンの期待を一身に集めている。6月17日、663日ぶりのマウンドでパドレス戦に登板し、22球を投げて2奪三振1安打と上々のスタートを切った。次回登板は6月23日のナショナルズ戦が予定されており、ロバーツ監督は「体力回復に最適な日程」とコメント。打者としても5月10日のダイヤモンドバックス戦で9回に12号3ランホームランを放つなど、6打数3安打4打点の活躍でチームの14-11の勝利に貢献。4月27日のパイレーツ戦では長打3本を記録し、チームの連敗ストップに一役買った。投手復帰に向けたブルペンセッションでも最速156キロをマークし、投手コーチから「球の質が良い」と高評価を受けている。
大谷の復帰は、単なる個人成績にとどまらず、チーム全体に活力を与えている。ロバーツ監督は「大谷にはやる気を促す必要がない」と語り、彼のストイックな姿勢を称賛。ファンも「大谷の二刀流復活は球史に残る瞬間」と熱狂し、SNSでは「佐々木の不調を大谷がカバー」との声も聞かれる。大谷自身は佐々木について「安定しているが、もっと良くなる」とエールを送り、チームメイトとしての絆を示している。
佐々木の苦境と大谷の輝かしい復帰は、ドジャースの日本人選手が直面する異なる現実を象徴している。佐々木には怪我からの回復とメンタル強化が求められ、大谷には二刀流のさらなる進化が期待される。2025年シーズンの後半、彼らがどのように成長し、チームを牽引するのか、ファンの視線は熱を帯びるばかりだ。