ロサンゼルス・ドジャースの佐々木朗希投手が、5月3日(日本時間4日午前8時15分)に敵地アトランタで開催されるブレーブス戦に先発登板する。2025年シーズンに千葉ロッテマリーンズからポスティングシステムでドジャースに移籍した23歳の“令和の怪物”は、これまで6試合に先発し、防御率3.55を記録するも、メジャーリーグ初勝利を手にしていない。米メディアは彼の速球の威力に注目しつつ、「絶対にミスをしない」とその制球難を懸念しており、明日の一戦が佐々木のキャリアの転換点となるか注目が集まる。

佐々木は4月27日のパイレーツ戦で6回途中3失点の好投を見せ、初勝利の権利を手にしながら、9回の逆転サヨナラ本塁打で勝利を逃した。日刊スポーツによると、この試合では6回2安打2失点で、初回に2ランを浴びたものの、その後は安定した投球を披露。Xの投稿では、「佐々木の速球は92~93マイル(約148~150キロ)でスタートしたが、徐々に持ち直した」との声が上がった。しかし、米メディア『ショウタイムズ』は、佐々木の速球の平均球速が96.4マイル(約155.1キロ)と、日本時代のような165キロの圧倒的威力には及ばない点を指摘。回転数の不足により空振りが奪えず、メジャーの打者に対応される課題が浮き彫りだ。

ブレーブス戦は佐々木にとって7試合目の先発登板となる。日本経済新聞によると、中6日での登板で、チームメイトの山本由伸が前日の3日に先発する。ドジャースは現在、投手陣に故障者が続出。タイラー・グラスノーが右肩の違和感で故障者リスト入りし、ブレーク・スネルの復帰も不透明だ。この状況下、佐々木への期待は高まるが、米メディア『日刊ゲンダイDIGITAL』は、佐々木の制球難を厳しく評価。3月30日のタイガース戦では1回2/3で4四球を出し、ストライク率48.7%と低迷したことが批判された。ロバーツ監督は「メカニックの問題」と指摘し、フォーム修正が進行中だ。

佐々木の速球は依然としてメジャーでも上位の速さを誇るが、米スカウトは「テイクバック時に手首が内側に折れるフォームが、腕の振りを妨げている」と分析。4月13日のカブス戦では5回1失点と改善が見られたが、最速158キロにとどまり、160キロ超の“怪物”の片鱗は見られていない。米投球分析家は彼のスプリットを「アンフェアな魔球」と称賛するが、速球の精度が上がらなければ、メジャーの強打者を抑えるのは難しい。ブレーブス打線は、マット・オルソンやオースティン・ライリーらパワーヒッターを擁し、佐々木の速球がミスなくゾーンに入るかが鍵となる。

ドジャースのファンは佐々木に大きな期待を寄せる。Xでは、「初勝利は時間の問題。ブレーブス戦で決める!」と後押しする声が飛び交う。一方、慎重な意見も存在し、「制球が安定しない限り、勝利は遠い」との投稿もある。佐々木自身は4月20日のレンジャーズ戦後、「仕事ができた」と手応えを語ったが、初回の球速低下に「ちょっとびっくりした」と本音を漏らした。スポニチによると、彼はブルペンで投球フォームの微調整を重ね、変化球とのコンビネーション強化に取り組んでいる。
明日、佐々木はメジャー初勝利を懸けてマウンドに立つ。ドジャースはワールドシリーズ連覇を目指し、投手陣の安定が不可欠だ。大谷翔平の打者としての活躍や山本由伸の4勝目がチームを牽引する中、佐々木の役割はますます重要になる。米メディアの懸念を払拭するには、速球の回転数向上とストライクゾーンへの正確な投球が求められる。ブレーブス戦での投球は、佐々木がメジャーで真のエースとなる第一歩を踏み出せるかどうかを示す試金石だ。ファンは、彼が“令和の怪物”の名にふさわしい投球で、初勝利の喜びを掴む瞬間を待ち望んでいる。