ロサンゼルス・ドジャースの二刀流スター、大谷翔平選手が、2025年シーズンでのフィールド復帰に向けて準備を進めている。2023年9月の右肘手術と2024年秋の左肩手術からの回復を目指し、彼は投手と打者の両方で再び輝きを放つことを決意している。4月25日の記者会見で、自身の調子について尋ねられた大谷は、簡潔かつ力強く「準備は順調、必ず戻る」と答え、ファンの期待をさらに高めた。この5つの言葉は、彼の強い意志と自信を象徴しており、ドジャースのワールドシリーズ連覇への道を照らす希望となっている。

大谷の復帰は、ドジャースにとって極めて重要な意味を持つ。2024年、彼は打者として前人未到の「50本塁打・50盗塁」を達成し、チームのワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。しかし、投手としては右肘の怪我により登板がなく、ファンは彼の二刀流の姿を待ち望んでいる。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、3月に東京ドームで開催されたカブスとの開幕戦で大谷を打者に専念させ、投手復帰を5月以降に設定すると発表した。これは、2023年の手術からの慎重なリハビリを反映したもので、球団は彼の健康を最優先に考えている。ロバーツは「シーズン後半に投打でフル回転できるようにする」と述べ、7月のオールスター戦後の復帰を目標にしているとスポニチが報じた。

大谷のリハビリは順調に進んでいるが、慎重なアプローチが続いている。2月のキャンプでブルペン投球を開始し、最速94マイルを記録したが、3月の開幕シリーズ前には投手調整を一時中断。4月22日、23日にはキャッチボールを再開したが、スライダーなどの負担の大きい球種はまだ投げていない。「今の段階では制限が必要」と大谷自身が説明し、無理を避けている姿勢が伺える。Xでの投稿によると、彼の体型変化は投手復帰に向けた筋力強化の一環であり、打球速度が昨年より約10キロ低下しているものの、復調の兆しが見られると報じられている。

打者としての大谷のパフォーマンスは、2025年シーズン序盤でやや波があるものの、依然として圧倒的だ。4月3日のブレーブス戦では、第3号サヨナラホームランを含む3安打を記録し、チームの劇的な逆転勝利を演出。3月28日のタイガース戦では第2号ホームランを放ち、打率.417、OPS1.500と好スタートを切った。しかし、カブス戦では9打数1安打、得点圏打率.143と苦戦し、復調が期待されている。Xでは「得点圏での凡退が続くが、芯に当たれば復活は近い」との声が上がっており、ファンも彼の爆発を信じている。

ドジャースの投手陣も大谷の復帰を支える強力な布陣だ。山本由伸、佐々木朗希、ブレイク・スネルらが先発ローテーションを形成し、故障者が出ても対応可能な層の厚さがある。米メディア『ファンサイデッド』は「大谷が投手復帰しなくても、ドジャースの投手陣は十分強い」と指摘し、復帰を急がない方針を支持している。ロサンゼルス・タイムズの記者ディラン・ヘルナンデスは、6月下旬の復帰を予想し、「大谷自身の意志が復帰時期を左右する」と分析。チームのニーズと彼の準備が一致した時、二刀流が本格始動するだろう。

大谷の私生活も、彼のプロフェッショナリズムを物語っている。2025年3月、真美子夫人の第一子（長女）誕生に伴い、2試合を欠場したが、すぐに復帰し、4月21日のレンジャーズ戦では「パパ初安打」を記録。リハビリ中も睡眠と体調管理を徹底し、最高のパフォーマンスを追求する姿勢は変わらない。Xでの投稿は、彼の「強靱なメンタル」を称賛し、シーズン後半での二刀流復活に期待を寄せている。

2025年シーズンは、大谷にとって新たな挑戦の年だ。投手復帰の遅れや打撃の波はあるものの、彼の「準備は順調、必ず戻る」という言葉は、ドジャースとファンの心を掴んでいる。ワールドシリーズ連覇を目指すチームの中心として、そして父としての新たな役割を担いながら、大谷は再び歴史を刻む準備ができている。シーズン後半、彼の二刀流がフィールドで輝く瞬間を、誰もが見逃せない。