ドジャースの大谷翔平は1回に好投し、5打点を挙げた。

ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が、2025年6月22日のナショナルズ戦で投打にわたり圧倒的な活躍を見せ、チームの13対7の勝利に大きく貢献した。この試合で大谷は「1番・投手」として先発し、1回を無安打無失点、2奪三振の好投を披露。打者としては4打数2安打、5打点を記録し、8試合ぶりの26号ホームランを含む大暴れだった。この二刀流の復活劇は、満員のドジャースタジアムを熱狂させ、ファンやメディアから絶賛を浴びた。
試合はドジャースの本拠地で行われ、大谷にとって投手復帰2戦目となった。前回の登板である6月16日のパドレス戦では、663日ぶりにメジャーのマウンドに立ち、1回1失点ながら最速161.2キロの速球を投げ込み、復帰への第一歩を踏み出していた。この日はさらに進化した姿を見せ、18球(ストライク12球)で1回を完璧に抑えた。初球の156.4キロのストレートで先頭打者を一ゴロに打ち取ると、2番打者にはスイーパーを効果的に使い、ショートフライを誘発。記録上はエラーとなったが、続く3番、4番打者をそれぞれスイーパーとカットボールで空振り三振に仕留め、復帰後初の奪三振を記録した。最速159キロのストレートに加え、変化球の制球も冴え、投手としての自信を取り戻している様子が伺えた。
大谷は試合後、「投げることに関しては、前回よりもリラックスしてできた。少しずつ自信が出てきている」とコメント。ロバーツ監督も「彼の投球は素晴らしかった。打撃にも影響を与えずに、これだけの結果を出したことは大きい」と称賛した。アメリカメディアの一部では、投手復帰が打撃に悪影響を及ぼしているとの指摘もあったが、この日の活躍でその懸念を一掃。投打両方で結果を残す大谷の姿は、まさに「ユニコーン」と呼ばれる理由を証明するものだった。
打者としての大谷も圧巻だった。1回裏の第1打席では空振り三振に倒れたものの、3回裏には2アウト一塁の場面で低めの変化球にタイミングが合わず再び三振。しかし、6回にノーアウト二塁のチャンスで四球を選び出塁すると、チームは満塁の好機を迎え、4番マンシーの満塁ホームランで逆転に成功した。大谷の真骨頂は7回に訪れた。無死満塁の場面で、カウント0-1から141キロのスライダーを右翼線に運び、走者一掃の3点適時三塁打を放った。この一撃で試合を大きく引き寄せ、ベッツの適時打で大谷自身も生還。さらに8回には1死一塁の場面で、141キロのスライダーを捉え、右中間スタンドに飛び込む26号2ランホームランを放った。飛距離116.7メートルのこの本塁打は、ぎりぎりスタンドに届く当たりだったが、ファンにとっては忘れられない一発となった。
この試合での5打点は、大谷が先発登板した試合での自己最多記録となり、ドジャース移籍後初の二刀流でのホームランも達成。観客席では背番号17のユニフォームを着たファンが大声援を送り、日本から訪れた家族連れのファンも「こんな活躍を見られるなんて夢のよう」と感動を語った。試合後、ホームランを打たれた相手投手がビデオ判定前にホームランを確信し、茫然とする姿も話題に。地元メディアは「大谷は94年間で彼だけの偉業を成し遂げた」と、歴史的なパフォーマンスを称えた。
大谷の次回登板は早ければ今週末と見られており、投手としてのイニングを徐々に増やしながら、完全復活を目指す。本人も「5回以上投げられるようになれば、本当のスターターとして認められる」と意気込みを語る。打者としては本塁打数でリーグ上位をキープし、オールスター戦のファン投票でもナ・リーグ指名打者部門でトップを維持。2025年シーズンは、投打両方でさらなる記録更新が期待される大谷の年になりそうだ。ドジャースの快進撃とともに、彼の二刀流の物語はまだまだ続く。