ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が、2024年10月26日のワールドシリーズ第2戦で、ヤンキース戦の7回裏に二塁への盗塁を試みた際、危険なスライディングで左肩を負傷した。この場面は、ドジャースタジアムに集まったファンやテレビの前の視聴者に衝撃を与え、大谷が顔をゆがめながら立ち上がれず、トレーナーに支えられてベンチに下がる姿が映し出された。試合後、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、大谷の状態について「左肩の亜脱臼」と明かし、詳細な検査を待つと説明した。このニュースは、大谷の今後の出場やチームのワールドシリーズ戦略に大きな影響を与える可能性があるとして、世界中の野球ファンの注目を集めている。

大谷は、2024年シーズンを通じて投打の二刀流として圧倒的な活躍を見せ、打者としては50本塁打と50盗塁というMLB史上初の快挙を達成。ポストシーズンでも、1番指名打者として全13試合に出場し、打率2割6分、3本塁打、10打点を記録していた。しかし、ワールドシリーズでは8打数1安打とやや苦戦しており、この負傷が彼のパフォーマンスやチームの勢いにどう影響するかが懸念されている。ロバーツ監督は、負傷直後の記者会見で「筋力と可動域は良好」と述べ、深刻な状態ではないことを示唆したが、翌27日に予定されていたMRI検査の結果次第で、第3戦以降の出場可否が決まると説明した。
この負傷は、大谷が盗塁を試みた際に左手を地面につき、肩に負荷がかかったことが原因とされている。ロバーツ監督は「左膝でスライドし、右足を前に出して、おそらく手を下ろした際に亜脱臼した」と詳細を語り、大谷自身がその場で肩の痛みを訴えたと明かした。大谷は試合後、トレーナーやセキュリティに付き添われ、表情をこわばらせながら球場を後にした。チームはニューヨークへ移動したが、大谷はロサンゼルスに一時残り、MRI検査やアイシングなどの処置を受けた後、27日午前にチームに合流した。

27日のヤンキースタジアムでの会見で、ロバーツ監督は大谷の状態について楽観的な見方を示した。「トレーナーからの報告では、朝の時点で状態が改善しており、練習でボールを打つ予定だ。現時点では第3戦に出場できないとは思わない」と述べ、ファンに希望を与えた。大谷は同日、室内のバッティングケージで打撃練習を行い、左肩の状態を確認したとみられる。クラブハウスには彼のユニフォームや愛犬デコピンがデザインされたスパイクが用意されており、試合出場への準備が整っている様子が伺えた。
大谷の負傷は、ドジャースにとって大きな試練だ。チームはワールドシリーズで2連勝と好スタートを切ったが、投手陣ではタイラー・グラスノーやブレイク・スネル、佐々木朗希など主力投手が負傷者リスト入りするなど、厳しい状況が続いている。ロバーツ監督は「全員が復帰する」と強気な姿勢を見せているが、大谷の状態が安定しなければ、チームの攻撃力に大きな影響が出ることは避けられない。大谷は右肘手術の影響で2024年は打者に専念したが、2025年には二刀流復帰が期待されており、この肩の負傷がその計画に影響を与える可能性も議論されている。
ファンの間では、大谷の回復を願う声と共に、彼のスライディング技術に対する議論も巻き起こっている。春のキャンプ中に左手をつかないスライディングを練習していた大谷だが、この試合では手をついて滑り込んでいた。ロバーツ監督は「理想は手をつかないことだが、負荷を和らげて慎重にスライディングしていると信じている」とコメントし、過度な懸念を否定した。
大谷の復帰は、ドジャースのワールドチャンピオンへの道を左右する重要な要素だ。28日の第3戦で彼がどのようなパフォーマンスを見せるのか、ファンの期待と不安が入り混じる中、すべての目が大谷とロバーツ監督の決断に注がれている。検査結果と本人の感覚次第で、歴史的な二刀流スターが再び輝きを取り戻す瞬間が訪れることを願うばかりだ。