デーブ・ロバーツ監督は、ショウヘイ・オオタニが「汚いプレー」をしたとして相手投手を激しく批判し、ドジャースファンを激怒させた

2025年6月17日、ロサンゼルス・ドジャースとサンディエゴ・パドレスとの試合は、両チームの緊張感が高まる中、劇的な展開を見せた。この試合で、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が、大谷翔平に対する死球を巡り、相手投手のプレーを「汚い」と非難し、大きな議論を巻き起こした。この事件は、ドジャースファンだけでなく、野球界全体に波紋を広げ、ソーシャルメディアやスポーツメディアを通じて多くの反響を呼んでいる。

試合は3回裏、ドジャースが1点ビハインドの場面で起きた。大谷翔平が打席に立つと、パドレスの先発投手ランディ・バスケスが投じた150km/hの速球が大谷の右太ももに直撃。大谷は痛みで叫び声を上げ、フィールド上で一時膝をついた。この死球は、直前の3回表にパドレスのフェルナンド・タティス・ジュニアがドジャース投手から受けた死球への「報復」と見なされた。審判団は両チームに警告を発し、試合は一時緊迫した雰囲気に包まれた。

ロバーツ監督は、この死球が故意であると確信し、ベンチから飛び出して審判団に猛抗議。「これは明らかに意図的なプレーだ。脚を狙ったのはまだマシだが、もっと危険な場所を狙うこともできた」と試合後の会見で語り、バスケスの行動を強く非難した。この発言は、相手投手に対する「汚いプレー」という表現とともに、メディアを通じて広く報じられた。ロバーツ監督の怒りは、審判団がパドレス監督のマイク・シルトに説明の機会を与えた一方で、自身には即座に退場処分を下したことにも向けられた。「審判の対応に一貫性がない。なぜ我々にだけ厳しい判断が下されるのか」と彼は不満を露わにした。
この事件は、ドジャースファンに大きな衝撃を与えた。ソーシャルメディア上では、「大谷への死球は許せない」「ロバーツ監督の怒りは当然だ」といった声が飛び交い、ファンの間でパドレスに対する敵意が高まった。一方で、一部のファンはロバーツ監督の発言が過激すぎると感じ、「汚いプレー」という言葉が対立をさらに煽ったと批判。あるファンはXで「ロバーツはもっと冷静になるべき。こんな発言はチームに悪影響だ」と投稿し、議論は二極化した。
大谷自身はこの事件について多くを語らなかったが、試合後にインスタグラムで死球を受けた瞬間の写真を公開し、ファンからは「彼の精神力がすごい」「こんな状況でも冷静だ」と称賛の声が上がった。大谷のこの行動は、緊迫した空気を和らげる一助となったが、ファンの間では依然として怒りが収まらない様子だった。
この試合は、両チームの因縁をさらに深める結果となった。ドジャースとパドレスは、ナ・リーグ西地区のライバルとして長年競い合ってきたが、近年では特に緊張感が高まっている。2024年のポストシーズンでも、ドジャースファンがパドレスの選手に向かってボールを投げ込む事件が起き、ロバーツ監督が「二度とあってはならない」と苦言を呈したことが記憶に新しい。このような背景から、今回の死球事件は、両チームの対立を象徴する出来事として注目された。
ロバーツ監督の采配や発言は、過去にも議論の的となってきた。2024年のポストシーズンでは、大谷の走塁ミスに対し「言い訳できない」と異例の苦言を呈し、ファンの間で賛否を呼んだ。しかし、彼の選手に対する公平な姿勢やコミュニケーション能力は、チームメイトから高く評価されている。ドジャースのエース、タイラー・グラスノーは「デーブは誰に対しても公平だ。ショウヘイにも同じように接する」と語り、監督と大谷の信頼関係がチームの成功に寄与していると強調した。
この事件を受け、MLBはロバーツ監督に1試合の出場停止と罰金を課し、バスケス投手にも3試合の出場停止を発表。パドレスのシルト監督も同様の処分を受けたが、バスケスは異議を申し立てている。今後の両チームの対戦では、さらなる緊張が予想されるが、ロバーツ監督と大谷を中心とするドジャースは、ワールドシリーズ連覇を目指し、冷静さと団結力を保つ必要があるだろう。ファンの熱狂と批判の中で、チームがどのようにこの試練を乗り越えるのか、注目が集まる。